<正しい呼吸法による瞑想>
起床後、すぐに寝床の上で行なうのが良いのですが、出来ればトイレを済ませて
おくことをお勧めいたします。 15分程度を目安に毎朝行なって下さい。出来なけれ
ば数分でも結構です。長く続ければ、予想外の成果をおさめることができます。
1、床に仰向けに寝ます。頭は窓側に向け、出来れば新鮮な空気を入れるのがベ
ターです。外の騒音、寒さ、暑さが気になる場合は、開けなくても結構です。
一
度新鮮な空気を入れたら閉めて下さい。時間の許す範囲で、時計を気にしない
ようにします。タイマーをセットすると良いでしょう。
2、姿勢は、一度 「全身の伸び」をしたら、目を閉じ、両腕は脇の間にピンポン球を
挟んだように自然に開きます。手のひらは自分の良いように、自然に開きます。
手のひらは上向きでも下向きでも構わないでしょう。 両脚は踏みそろえ、肩幅
に開きます。身体の力を抜いて、水に浮かんでいるような、「リラックス感」を想
像してください。 焦りは禁物です。
3、まず雑念を取り去る作業です。 心の中、頭の中の雑念を呼気(息を吐く)により
全て吐き出しましょう。へそが背骨にくっつくようなイメージで、おなかの中の悪
いものを出し切るようにします。力まず焦らず、自然な感じで行います。
4、次に鼻からゆっくりと「大気」を吸います。部屋の空気ではなく、地球を覆ってい
る大気 (森林や海を覆うような綺麗な大気 )を取り込むようなイメージで、自分
が想像できる範囲で 「大自然」 に想いを馳せ ( ストレスに顕著な効果 )、おな
かを膨らませながら吸い込みます。 一般的に言われている丹田式呼吸です。
この時、肛門は少し引き上げるようにします。 腹圧の強い人は特に注意します。
理由は、痔になることがあるからです。上記のようにすることで臍下丹田
(へそ
から下の下腹部)に充実感が得られます (=「気」がこもります)。 ただし、古来
より 「丹田が盛気を生む」 と言い伝えられていますが、中国武術で言うところの
「気」 の発生は、呼吸の弾力などの目に見える動作から生まれる、と考えるのが
科学的にも妥当で、戦後生まれた唯一の中国武術 「意拳」創始人の王宗師も
新聞のインタビュ-で同じように語っています。おなかは、胃・肝臓・腸 などの配
置場所であるところから、呼吸による圧力勾配により内臓が刺激され、排液が
促された結果、健康増進に結びつくと考えたほうが正しいと思います。
「食道から胃にかけて不調感がある」 という方は、胃腸の不調がおさまるまで、
「逆式呼吸」を行ないます。息を吸うときにおなかを凹ませ、吐くときにおなかを
出すやり方です。 こうすることで横隔膜の自然な動きを回復し、胃の正常な運
動を復活させます。
5、初心者はゆっくりと数を数えます。五つ吸ったら二秒留め、五つ吐いたらまた二
秒止める、(秒数は自分のできる範囲で行なってください。無理は禁物です)を
繰り返します。 慣れてきたら秒数を長くしますが、 「呼吸」 も徐々に意識しない
でできる様にします。 無心に近づくにつれ、秒数は気にならなくなり、一分に二
回ほどの呼吸となります。 そうすればしめたものです。 この時点で身体の状態
はかなり変わっているはずです。
横隔膜はリンパ系にとって極めて重要な「外因性のポンプ」であり、呼吸の作用
により全身のリンパ液の流れが盛んになればなるほど、体の防衛組織が 毒素
や、その他の異種性の物質と接触するチャンスが多くなります。
⇒ 中枢リンパ調整による症状改善 参照
6、上記の5と並行して、呼吸するときの概念を鼻からではなく、頭頂部(百会)、両
手のひら(労宮)、両足の裏(湧泉)から吸い込むように意識します。吸い込んだ
息は臍下丹田に収め、また元の頭頂部、手のひら、足の裏から吐き出します。
臍下丹田のみの呼吸法を行なっていると、内圧が高くなりすぎ ( 蒸気の出口の
いやかんで湯を沸かすようなもの )、副作用 (ノボセ、肉体的、精神的疾患)を
もたらす危険がありますので注意が肝要です。
※注意事項
◎心身にストレスを受ける職業の方々、人間的なストレスを日々感じている方々
は、上記の4を行なう前に、以下の呼吸法と瞑想を行なって下さい。
大気を吸い込み、頭部から脚に向かって、暖かい水(温泉のような効能のある)
が流れてゆくように想像しながら息をゆっくり長く吐きます。 身体の中にある悪
いものが流れ落ちてゆくイメージです。 しばらく続けると、身体の中の嫌なもの
が抜けて、清清しい気持ちとなります。 それから4を始めて下さい。
◎コンセント、電気製品のそばでは行なわないようにしてください!