骨格の歪み(骨格変位)はなぜ起きるか?
<職業による特定姿勢の持続>
パソコン作業の長い方の場合、頭部が前傾した状態を
長く続けていますと、頚椎から上部〜中部胸椎を中心
とした骨格が、頭を支える事により後彎(こうわん)状
態作り出します。併せてマウス使用による右手側の胸
郭出口が大きく歪み (特に第一肋骨および胸椎が顕
著)、放置すると神経障害などを引き起こします。
<習慣による不良姿勢 (脚を組む、横すわり、頬杖など)>
多く見られるのが脚を組まれる方の骨盤の歪みです。骨盤部を形成する仙骨と腰椎の動
き、そして腸骨、恥骨は三次元体で動いています。 ずれた骨格は、最初は元へ戻ろうとし
ますが、長時間に渡って体の重心がぶれた、姿勢の悪い状態を続けていると、骨格のズレ
は元に戻ることなく固定されてしまいます(形状記憶)。頬杖は頸椎や顎関節に大きな負
担をかけて、結果的には頭蓋骨の歪みを引き起こします。 驚くべきことですが、動いてい
るはずの頭がい骨を、一個の個体として動かないとしている医学もあります。
<打撃や外傷によるもの>
格闘技やラグビーなどのコンタクトスポ−ツ、 ある
いはフィギアスケートなどの転倒しやすい競技を行
っていますと、交通事故と同じような症状が見られ
ることもしばしばです。
人間の骨格は、骨、じん帯、筋肉が、バランスをとりながら形成されていますが、 外部から
の衝撃により、その一部が損傷を受けると、他の部位が「補佐的役割」 を果たそうとする
ため、多くの場合、筋肉にアンバランス 「硬(こう)縮」が見られ、バランスをくずす結果と
なります。
<内臓の不調によるもの>
骨盤の歪みは、体全体の体液の流れに大きく影響を及ぼし、内臓の働きにかかわってきま
す。内臓に疾患があれば、その逆もまた起こるのが人体構造の図式です。骨格のズレを正
常にすることで、滞っていた血液やリンパ液が循環して「神経の伝達」がスムーズになり、
内臓の働きも活性化します。
<運動不足によるもの>
運動不足も体を歪ませる要因です。体は200余個の骨で構成されていて、骨は筋肉など
の軟部組織で支えられています。適度な運動を怠れば筋力は低下し、収縮力が無くなっ
て骨格を支える能力も減少します。
<極度のストレスによるもの>
現代社会の日常的に起こるストレスや、心の傷を抱え込んだままの場合、過度のストレス
が発生すると、それらが消化しきれなくなり、体のトラブルとして表面化してきます。 頸
の痛みや胃の不調から、多くの場合、骨格に歪みを生じさせる事がしばしばです。
<その他>
老齢(骨粗しょう症など)によるもの、疲労による筋肉のアンバランスからくるもの、気温
の極端な変化による身体の変調によるもの、脚長差(アンバランスのバランスをとる)に
よるもの、振動(飛行機、列車での移動、機械操作)によるもの、など原因は様々です。
すでに述べたように、骨格の歪みを正し体液の循環を正常にすることで、病院で解決で
きない「体性機能障害」を改善させること可能になります。