「整体」 の法的解釈と解説
2007年現在、日本国内においては国で
認める「医師免許」を有して行なう治療
以外を「民間療法」 と呼びます。
民間療法の語源は民間で生まれ伝承し
てきた病気の治し方であり、その中でも
「国家資格」 に定められたもの、そうで
ないものがあります。 「民間療法」との
呼び方は、国の知見の及ばないところをひとくくりに総称している、と言って良
いでしょう。内容は「その技術を持って職業と為す時は法によって定められた範
囲内で行ない、逸脱してはならない」とあり、「民間療法」は医業ではなく「健康
法」と捉えるのが、日本の法律上での正しい解釈と言えます。
国内の一部の医師免許所有者や役人は、「民間療法」を認めない風潮にあり
ますが、世界保健機構も「ツボ」の存在を認めているように、鍼灸、あんま、指圧
など、法制化されている「民間療法」も、今の日本では国民の支持を受けるに至
っています。それでは、法制化されていない民間療法はどうなのでしょうか?
また、その代表格である「整体」が日本国内では法制化されていないのは何故
なのでしょうか?
「整体」が法制化されるための努力は、
業界団体により十数年前から行なわれて
いるようですが、厚生労働省の保険行政
の壁の問題、法制下に置くには範囲が広
すぎる(体育の分野にまで及びます)、業
態が似ていることから,、マッサージ業界
の反発など、難点があるためです。現状は、法の下では職業として公認し、当然
のことながら「職業選択の自由」として認めています。
ただ、法制化されていない事即ち、収拾のつかない業界であることも事実です。
オステオパシーをはじめとする整体の中のいくつかの手技療法は、海外では
「医業」 として認められていますが、病院の検査では判別できない様々な症状
(体性機能障害) に著しい効果があり、当センタ−においても、その効果は実証
済みです。 ただし、熟練した技術を得るためには、長年にわたる学習と経験が
必要であることは言うまでもありません。
昨今「国家資格」である病院に「東洋医学研究所」が登場し、接骨院や鍼灸・マ
ッサージ ・指圧院の看板にも 「整体」 の文字が見られるようになってきました。
人間の生活習慣の変化が、今まで想像もしなかった新たな 体癖を作り出し、別
の分野での改善法が求められている、ということに他なりません。
「整体」は先に述べたように医学的な分野だけにとどまりません。 現代医学は、
「治療」すなわち病気を治すことからスタートしているのに対し、 多分野にわた
る豊富な知識と臨床に裏打された整
体は 「機能障害の改善」だけにとど
まらず、「健康な状態の身体」をどう
やって維持してゆくのか、「生活習慣」
を含めて考える事であり、近代西洋医
学の対極にある療法と言えます。
整体はつきつめてゆくと、単なる治療法ではなく、身体を活かす「活法」と言え
るでしょう。
正しい整体(食育から体育まで)こそが、人間がより健康に暮らす為には無く
てはならないものであり、皆が実践すれば、日本の膨大な医療費も随分と落ち
着くのではないでしょうか。